DOR0172 ヴィヴァルディ / 四季 DAM THE SUPER ANALOGUE DISC カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団

レコード番号&アルバム名

DOR0172 ヴィヴァルディ / 四季 DAM THE SUPER ANALOGUE DISC
カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団

DOR0172 ヴィヴァルディ / 四季 DAM THE SUPER AN ALOGUE DISC カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団 
ジャケット表
DOR0172 ヴィヴァルディ / 四季 DAM THE SUPER AN ALOGUE DISC カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団 
ジャケット裏
DOR0172 ヴィヴァルディ / 四季 DAM THE SUPER AN ALOGUE DISC カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団 
帯表
DOR0172 ヴィヴァルディ / 四季 DAM THE SUPER AN ALOGUE DISC カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団 
帯裏
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1.2MB
発表年月
種類
回転数
音源
録音方式
頒布会
同時発表CD
オーディオ
チェック
33
LONDON
原盤
アナログ
第33回表のみ
最後のリーフレット)
プロデューサー
ディレクター
スーパーヴァイザー
ミキシング・エンジニア
カッティング
エンジニア
エンジニア
高和元彦
西田克彦
菊田俊雄
牧野 晃
 
アシスタント・エンジニア
青木輝彦・西田尚雄
企画・制作
製造
ディスク製造
制作協力
デザイン・他
技術解説
第一家庭電器
DAMPC
キングレコード
株式会社
日本ビクター
株式会社
株式会社
サンデュエット
高和元彦
曲目・演奏者
 
ヴィヴァルディ
VIVALDI

四季 作品8
THE SFOUR SEASONS OP.8

第1面
第1番 「春」 No.1 : SPRING (10:54)
(Alegro - Largo - Alegro)

第2番 「夏」 No.2 : SUMMER (10:59)
(Alegro non molto - Adagio - Presto)

第2面
第3番 「秋」 No.3 : AUTUMN (12:10)
(Alegro Adagio molto - Alegro)

第4番 「冬」 No.4 : WINTER (9:45)
(Alegro non molto - Largo - Alegro)



カール・ミュンヒンガー 指揮
KARL MÜNCHINGER conducting

シュトゥットガルト管弦楽団
STUTTGART CHAMBER ORCHESTRA

ウエルナー・クロツィンガー(独奏ヴァイオリン)
WERNER KROTZINGER (Solo violin)

録音 1958年  スイス ビクトリア・ホール

Original recording by The Decca Record Co., Ltd.
Manufactured under ilcense of London Records K. K.   

 

今回導入された 企画・新技術
カッティング・データ
 
・日本の誇る名プロデューサー高和元彦プロデュースの
キング「
THE SUPER ANALOGUE DISK」
名門英デッカ・London原盤がDAM3作目。

・日本国内のロンドン・ステレオ第1号
ミュンヒンガーの
ヴィヴァルディ四季DAM登場
・本年亡くなった、ミュンヒンガー追悼盤。


・ダイレクトコネクティング・カッティング
Non Limitter, Non Equalizer, Non Pass Filter
 ・ハーフスピード・カッティング
・カッティング用独自開発管球式アンプ使用

  ・厚手・重量180g
 ・高品質レコード材を使用
 ・スリーブ付き豪華ジャケット
 
 
Cutting Date March 19, 1990
King Records, Tokyo
Tape Recorder:Neumann M-15A
Head AmpeifieroAI I Tube
Drive AmplifieroAII Tube-Parallel
Pushpull (Special Custom Made)
Cutting Lathe Neumann
Cutting Head Neumann SX-74
Non Limitter, Non Equalizer,
Non Pass Filter

 

制作にあたって
(発表時、解説書記載のまま)

ミュンヒンガーの「四季」が登場
 高和元彦(プロデューサー)
(発表時、解説書記載のまま)
 

日頃は第一家庭電器をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
 DAM のクラシック・レコード・シリーズは、昭和51年11月の「アルプス交響曲」ケンペ指揮ドレスデン国立管弦楽団(DOR-0026-27) 以来、平成2年春の、VIP ザ・スーパー・アナログ・ディスク「ブリテンの戦争レクイエム」(DOR-O169-70) 迄、37タイトルを発表させていただきました。
 
そのレパートリーの中で "協奏曲"が少ないことは前回触れましたが、全く無かったのがバロック音楽です。バロックといえば、なんといってもヴィヴァルディの「四季」が有名ですが、英EMI原盤には演奏、録音の両面から見た、"四季の決定盤" が無く、取り上げるのを見送ってまいりました。
 
 前回から登場の英デッカ(ロンドン)レーベルには、幸い、ミュンヒンガー盤( 3 種)、マリナー盤、ホグウッド盤等、名盤が揃っています。その中で、マリナー盤は、昨年10 月のキングのザ・スーパー・アナログ・ディスクの第6回として、ミュンヒンガーの1972年録音盤は、本年2月の、ポリドール・ロンドン・ファイナル・L P シリーズで、それぞれ発売されています。
 
 ところで、"四季" といえば、まず、イ・ムジチの演奏のものが大変有名ですが、実は"四季"のブームを作ったのは、このミュンヒンガーの1951年録音盤なのです。その後、ファザーノ〜ローマ合奏団盤、イ・ムジチ盤などにより、"四季" はクラシックの最人気曲となっているのは、皆様ご存知の通りです。
 
 1945年、30歳のミュンヒンガーは、故郷にバロック音楽を中心に演奏する、シュトゥッ卜ガルト室内管弦楽団を創立し、その後、ヴィヴァルディ、バッハ、モーツァルトの権威として、ロンドン・レーベルに数々の名盤を残しましたが、大変残念なことに、去る3月13日、74歳で亡くなり、本盤は、はからずも、追悼盤となってしまいました。

 ミュンヒンガーはシュ卜ゥットガルト室内管弦楽団とともに、"四季" の録音を英デッ力に3種残しています。
 1. 1951年モノラル録音 Vn ソロ バルヒエット
 2. 1958年ステレオ録音 〃  クロツィンガー
 3. 1972年  〃    〃  クルカ
 本アルバムは、2の1958年録音のもので、翌1959年2月、ロンドン・ステレオの第1回のその第 1号(SLB-1)としてキングレコードより国内発売されました。勿論、日本での "四
季" の最初のステレオ・レコードでもありました。

 ミュンヒンガーの演奏は、厳格なリズムと一糸乱れぬアンサンブルで、正にドイツ風という表現がぴったりですが、又、それでいて清新で活き活きとしている点が魅力かと思います。クロツィンガーの独奏ヴァイオリンも大変、瑞々しく爽やかです。イ・ムジチの柔かで、テンポの速い、流れるような演奏とは、まことに対照的といえるでしょう。

 録音については、過去のDAM シリーズの中でも、ステレオとして最も古いものですが、32年も前のステレオ最初期の録音とは信じがたい、さすが "ステレオのロンドン" に恥ない素晴らしさです。ƒƒの時、高弦がやや硬質になることや、テープ・ヒス等の問題を除けば、ナチュラルなプレゼンスと、鮮明な音で、3の1972年録音と比べても、優るとも劣らない優秀録音かと思います。

 ところで、DAM スーパー・アナログ・ディスクは、昭和52年6月の「青少年のための管弦楽入門」で、マスター・プレス、翌昭和53年11月の「サマータイム」で厚手プレスと、東芝E M I(株)のご協力を得て、盤質改善を続けてまいりましたが、平成元年3月の「フルトヴェングラーの第九」 をもって、東芝EMI自社工場でのアナログ・ディスクの生産が終了となりました。

その後は、キングレコード(株)のご協力により、力ッティングは、キングレコード(株)、メッキとプレス等は日本ビクター(株)という方法で、厚手プレス(180g) スーパー・アナログ・ディスクを会員の皆様にお届けして来たのですが、国内主要レコード・メーカーで、唯一、高品質アナログ・ディスクの製造を継続していた日本ビクター(株)が、この夏までで、遂にスーパー・アナログディスクの製造を中止する意向のようで、誠に残念ながら、今後、国内における、厚手プレスはもとより、高品質のアナログ・ディスクの製造は断念せざるを得ない状況に至りました。
 (その前後の事情は、月刊・文芸春秋3 月号の直原清夫氏の記事等で、この事態をある程度、予測していらっしゃった方もいらっしゃるかも知れません・・・・・・。)

 このような情勢の中での本アルバム制作にあたり、高和元彦プロデューサー、牧野晃マスタリング・エンジニア、キングレコード(株)、日本ビクター(株)、並びに関係各位には、更にも増して多大なご協力をいただいたことを、心より厚くお礼申し上げます。

 一方、デジタル録音については、最近になってフィリップスが、周波数特性上、20kHz以上が必要であることを公式に表明し、それに対応した新レコーディング・システムにより録音され、22kHz まで収めたCD をこの2月に発売、又、C B S ソ二ーも、録音段階で、特製の20ビット機 (従来は16 ビット、サンプリング周波数は従来のままらしい。)を採用し、その1号CD が3月に発売されています。
 
 過去、DAMがデジタル録音及C D の規格の不充分さを指摘してきましたが、アナログ・ディスクの国内製造が終焉しようとしている今になって、ようやく、C D 推進の2 大メーカーが、その改善にむけて動きだしたことは、大変、皮肉なことと感じます。
 
 ただし、デジタル録音が、アナログ録音を越えるのは、まだ先のことでしょうし、C Dについては、その規格がバージョン・アップされない限り、スーパー・アナログを、音の全ての点で越えるのは、難しいでしょう。
 
 現在、最高水準の音を追求すると、アナログ・ディスク(ただし、優秀録音を、丁寧にディスク化したものという条件付)に、戻ってしまうというのは、経験豊かなファンの声であり、又、DAM がソフト制作から得た体験でもあります。
 
 今後、アナログ・ディスクの制作は、極めて困難が予想されますが、次回、11 月には、DAM 第2弾ヨーロッパ録音(最新アナログ録音)を、ヨーロッパ・プレスのアナログ・ディスクでお届けするべく、準備中ですので、会員の皆様の更に一層のご支援のほど、お願い申し上げます。

 ※ 春のVIP レコード「戦争レクイエム」は、予想を越えるご要望をいただき、在庫も極く少なくなってしまいました。まだ入手されていない方は、この第33回の頒布会の企画で若干数を用意いたしましたので、是非、この最後のチャンスをお見逃しなきよう、お願い申し上げます。

DAM推進委員会 

 第一家庭電器の伝統あるDAM スーパー・アナログ・ディスクのシリーズに、昨年(1989年)の6 月から、私どもの同種のアルバム
をすでに4タイトル参加させていただいております。

 今回は新たにロンドン不朽の名盤であるミユンヒンガーの「四季」が選ばれましたことは喜びにたえません。

 思い起せば、ミュンヒンガーとシュトゥットガルト室内管弦楽団が、ヴィヴアルディの「四季」を最初にモノラルLP として録音したのは1951年でした。(米国でL P が登場したのは1950年春。) ヴァイオリン独奏はラインホルト・バルヘットが受け持っていましたが、このアルバムは初め輸入盤として1952年ごろにはわが国にも少量がはいっておりました。
当時学生だった私は知人の家ではじめてこの曲を聞きましたが、LP レコードそのものがまだ目新しかった上に、その作品の魅力と、ffrr というロンドンのすぐれた録音に触れたときのショックは、今なお新鮮によみがえってきます。

 日本プレスとしてこのLP が発売されたのは1958年(昭和33年) 6 月で、番号はLB - 13でした。何の因果か、その編成を担当したのはキングレコードの社員となっていた私でした。そのころのベスト・セラーのーっとなったことは言うまでもありません。

 それ以前にも「四季」はSP レコードとしていくつかあったようですが、この曲がわが国をはじめ、欧米でにわかに愛聴されるようになったのは、やはりミュンヒンガーのこのモノラルL P の出現が大きく貢献したことは間違いないところでしょう。

 間もなくステレオ録音が登場し、ミュンヒンガーは直ちに「四季」を再録音しました。
1958年5 月にスイスのジュネーヴにあるヴイクトリア・ホールで収録され、わが国では1959年の2月28 日にSLB - 1 という番号で発売しました。この番号からもおわかりのように、当社のロンドン・ステレオ盤の第1号だったのです。しかも前述のモノラル盤からわずか約9ヵ月後の発売で、ヴァイオリン独奏は、ウェルナー・クロツィンガーに変りました。

 その記念すべきロンドン・レコードが、今回のDAM ザ・スーパー・アナログ・ディスクとなったのは意義深いことと思います。

 クロツィンガーは当時のシュトゥットガルト室内管弦楽団のコンサート・マスターであり、前回のバルヘットに優るとも劣らない流麗なソロを聞かせております。注目したいことは、このソロのステレオ音場での定位(位置)がやや左寄りにあるところです。これは実際の演奏会での第1ヴァイオリンの卜ップの位置で弾いていることを意味しております。
最近の「四季」の録音では、ソロ・ヴァイオリンは中央に定位しているものが多いようですが----。

 収録は1958年ですが、アンセルメの録音会場としてよく知られるヴィクトリア・ホールのバランスにすぐれた音響特性と、私どもの「ザ・スーパー・アナログ・ディスク」の技術によって、過去に聴かれなかったリフレッシュしたピュア・アナログの音でお楽しみいただけると存じます。

 ミュンヒンガーの「四季」は、イタリアの作曲家ヴィヴァルディの作品としては、ある意味でドイツ的な演奏といえますが、その後イタリアの合奏団のレコードが出るまでは、これが「四季」の典型的演奏とさえ思われていたと言えましょう。

 しかし、「バロック時代の音楽に国境はない」とある作曲家がいっているように、今ではドイツ、イタリア、イギリス、フランスなどの楽団が、それぞれ個性ある解釈と演奏によるレコードが数多くあることはご存知の通りです。したがって、ヴイヴァディだからイタリアの演奏団体のものが標準的だと考えるのは適切ではないと思います。

 先に申し上げましたミュンヒンガーの最初のL Pを聴かれたときに、荒谷正雄氏(現・指揮者) は、当時の「 L P 事典J(鱒書房、昭
和28年5 月刊)の中で次のように書いておられますので、その一部を掲載させていただきます。
「聴く者をして呆然たらしめる驚嘆の一枚である。ミュンヒンガーの指揮するシュトゥットガルト室内管弦楽団は、弦楽器合奏のもつ魔力といおうか、その限界を越えた美的世界を表現している。永年弦楽器を扱い、多くの演奏に接して来た私も、これほどまでの美しさに接したことはなかった。」

キングレコード・プロデューサー / 高和元彦 ( 1990 7)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*敬称は省略させていただきます。
*回転数の「33」は33 1/3回転の略です。

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