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■ DAM45のジャズ・ポップス担当としての発行アルバムについて・個人的エピソードDAMPCメンバー 岩瀬勝一

 1.DAM45のジャズポップス担当としての発行アルバムについて
私は中学3年生の時に9500万人のポピュラーリクエストでビートルズの演奏を聴いて衝撃を受けました。

今まで聞いたことのない歌声と演奏にすっかり魅了され、お小遣いをはたいてレコードを購入したことが音楽にのめりこむきっかけです。
ミュージックライフという当時人気の洋楽雑誌を毎月購入し、海外から入ってくる情報を集めておりました。
またFEN放送というアメリカ軍向けの英語放送にも耳を傾け毎週流れるTOP20は英語の勉強に使用すると親を説得して購入した、東芝のオープンリールレコーダーに録音をして何度も視聴し楽しんでおりました。

その後ボブディランとの出会いからフォークロックやR& Bに傾向が移りモータウンサウンドにものめりこみで聴きました。

演奏時間の短いポップスから時間の長い演奏が魅力のジャズに興味を移り、ミットナイトジャムセッションというラジオ番組を欠かさず録音して聞くようになり次第にジャズに魅了される日々が始まりました。

アコーステック楽器が中心のジャズはピアノ、ベース、ドラムそして管楽器も生の音で聴くとその自然な響きが心地良くレコードもライブ録音は臨場感が晴らしく、オーディオチエック向きのレコードが数多くありました。

またボーカルも声の質や張、伸び、輝き等ジャズボーカリストのレベルの高さ_アコーステック楽器が中心のジャズはピアノ、ベース、ドラムそして管楽器も生の音で聴くとその自然な響きが心地良くレコードもライブ録音は臨場感が晴らしく、オーディオチエック向きのレコードが数多くありました。

またボーカルも声の質や張、伸び、輝き等ジャズボーカリストのレベルの高さはカートリッジの音質チエックにも最適でした。

DAM45の音源を選ぶ基準としてアコーステック楽器を中心にした音楽で演奏も音も素晴らしい音源をとの思いでアーティストも曲も選考させて頂きました。

2. 第一家電入社後のオーディオ担当者〜DAC店長としての個人的エピソード

DAMPCメンバー 岩瀬勝一
私は昭和45年オーディオメーカーの製造ライン修理技術者から転職し、第一家庭電器株式会社の秋葉原駅前にあった秋一中央店に配属となりました。
第一家庭電器はテレビ、冷蔵庫、洗濯機、クリーナー等家電製品が主力の家電量販会社として秋葉原を中心に関東全域に出店し成長著しい伸び盛りの会社でした。

そのころ販売の主力商品であったカラーテレビは値引き幅が大きすぎる二重価格が問題となり、販売店各社が異常な値下げ合戦でかえって買い控えを招き苦戦する中、当社は売価保証制度なる画期的な企画が当たり、その年の12月は展示商品までが売り切れるほどの盛況でカラーテレビ全盛時代を迎えておりました。

配属された店舗は小規模店舗でオーディオ・コーナーは更に小スペースでしたが土日になると通路が人で溢れ、当時としては高額品のアンプ、オープンリールデッキ、プレーヤー、スピーカーが飛ぶように売れる時代でした。
しかし家電量販店のオーディオ主力商品は3点セパレートと言われたセットステレオが全盛期でコンポーネント商品はオーディオ専門店が専門知識を売りに盛況を極めておりました。

入社半年後に私の配属された店舗は建物の建て替えの為閉店し、私は秋葉原の当時としては大型店舗の万世橋店に異動することになりました。
異動した店舗でもコンポーネントを担当しておりましたが、店舗の地下にオーディオ・コーナーがありました。
私が担当してから地下の全てのスペースをコンポーネントコーナーに替え、3点セパレートステレオを1階に移動し、コンポーネント商品の展示を別にしたことでコンポーネントのお客様が増加する結果となり、コンポーネントの売り上げが大幅にアップしました。

その後秋一中央店の店舗跡に新築した雑居ビルが建ち、のちに世界のラジオ会館との名前で一世を風靡したラジオ会館が秋葉原駅前に開店しました。
第一家庭電器もラジオ会館の二階に小さなオーディオ専門店秋葉原中央店が開店しました。第一家庭電器初のオーディオ専門店として秋葉原中央店がスタートしました。
初めて出来たオーディオ専門店にはリスニングルームはありませんでしたが、念願のカートリッジやアーム、ターンテーブルなどパーツと言われた商品の販売に初めて取り組みました。
15坪のオーディオ専門店秋葉原中央店はラジオ会館の老舗のオーディオ専門店に押され苦戦を致しました。店舗が小規模でリスニングスペースが1か所しかない為土日に来店されるお客様の対応に満足していただけない状況となり売り上げに繋がらないことが判明しました。

そこで音楽ジャンル別にコンポーネントセットを組み、来店したお客様に好みの音楽ジャンルをお聞きしてお待ちいただく時間に商品説明をさせて頂き、最後にヒヤリングをして頂いたのちに購入いただく方式を導入しました。
価格帯もビギナーコース99,800円を始め、老舗のオーデイオ専門店では対応しない価格帯のお客様に対しても親切丁寧に説明する姿勢を徹底し徐々に第一家電のファンづくりに努めました。

このセット販売はのちにラックをセットしたDACシリーズとしてパンフレットを作成し、第一家電のオーディオ企画販売として全店で訴求する規模に発展しました。

また当時の第一家庭電器が独自のサービスステーションを持ち、日曜日も修理に伺う画期的なシステムを導入しておりましたので、メーカーが異なる単品コンポーネントのセット販売にはお客様の信頼頂けるシステムでご好評をえました。
開店した昭和47年、次の年の48年にはオイルショックがあり苦戦をしましたが順調に初のオーディオ専門店は実績を上げることが出来ました。

昭和49年4月に渋谷の東急文化会館6階に90坪のオーディオ専門店を開店することになり、渋谷に異動することになりました。
以前は日動画廊の店舗でしたのでうなぎの寝床のような細長い店舗でしたが、店舗の一番奥にリスニングルーム最適なスペースがあり、私としては念願のハイエンドコンポーネントの販売に取り組める環境が整いました。

しかしオーディオのメッカに成長した秋葉原とは違い、オーディオ商品を購入するお客様は秋葉原に集中する傾向が強く、渋谷でオーディオを購入することが定着するには時間がかかると思いました。

そこでリスニングルームを活用する策としてイベントを開催致しました。メーカーの新製品のヒヤリングを初め、話題のレコード新譜を超ど級のシステムでのヒヤリング、念願だった故岩崎千明先生のJBL講座やジャズ評論家の故中野先生のジャズ講座等、また映画音楽の夕べには小森のおばちゃまで、おなじみだった故小森先生のお話など多種多彩に開催し好評を頂きました。

その中で売り上げに結び付く企画はカートリッジの聞き比べでした。大きな費用がかからないけど、大きく音に変化がある。今まではカートリッジの針が摩耗したら針を購入するから、音楽ジャンルによって好みの音色のカートリッジをいくつか所有する
ことの、提案が短期間に定着しました。また秋葉原のオーディオ専門店に行かなくても渋谷のDAC渋谷に行けば満足できるとのありがたい評価を頂き開店半年後の12月には来店いただけるお客様が大幅に増加し売り上げも順調に増加致しました。

すでに前年48年に導入されていた第一家庭電器オーディオ・メンバーズクラブ(DAM)の会員も増えはじめ、DAM会員の特典としてカートリッジ頒布会 第1回が6月にスタートしました。
そしてオーディオブームの到来が訪れました。スーパーマーケットのダイエーのチラシにシュアーのV15タイプIIの大特価が掲載されて大いに話題になりました。
輸入商社が総代理店を名乗り、正規輸入品を雑誌に宣伝。広告に便乗して並行輸入品業者が安売り。総代理店は、並行輸入品の故障時の修理対応をしない等対策を打ち出すなど話題を集めておりました。

DAC渋谷に、スーパーの新聞広告で購入したカートリッジが偽物かどうかの確認に訪れお客様が増えるなど、並行輸入品をめぐり混乱が発生する事もありました。
また、スーパーでは、カートリッジをシェルに取り付けてくれないらしく、DAC店は無料で取り付けしていたので、喜ばれ、会員にもなって頂けたのです。
第一家庭電器は正規輸入代理店の商品のみ販売する方針を打ち出し、価格だけでない付加価値を付ける会員特典として、大型リーフ掲載の頒布会対象カートリッジにはDAM45オーディオチェックレコードを1種類~2種類をセットするという「マニアを追い越せ!大作戦 (頒布会)」は、首都圏の会員の方はもとより、FM誌などオーディオ誌の宣伝でも全国的に大評判となり、その後16年間の長期企画として夏・冬、年2回開催が欠かさず継続したのです。

DAC渋谷の成功で昭和50年DAC千葉の開店が決まり、私は秋葉原中央店に店長として戻ることとなりました。
その年の11月に生憎の国鉄ストが決行された中、秋葉原DACFI、FII、FIIIが開店する運びとなりました。
DAC店とDAM会員制度をベースとして、「マニアを追い越せ!大作戦 (頒布会)」、「テープメイト会員」「コンポのVIP会員」が、定着・発展し、第一家電オーディオ・ビジュアル販売の基礎を支えました。

その後DAC吉祥寺、DAC柏、DAC新宿、DACサンシャイン、DAC学園都市、DAC伊勢崎と各地にDACが開店する運びとなりました。

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