DOR0078 岩城宏之 日本フィルハーモニー交響楽団 ローマの松 76/45
レコード番号&アルバム名DOR0078 岩城宏之 日本フィルハーモニー交響楽団
ローマの松 76/45
ジャケット表
ジャケット裏
発表年月 種類 回転数 音源 録音方式 頒布会 オーディオ
チェック 45 DAM
オリジナルライブ録音 アナログ
16ch 76cm/sec
(デジタル録音も実施) プロデューサー ディレクター ミキサー サウンド
エンジニア カッティング メンテナンス 小山正敏 中田基彦
鈴木武昭 池田 彰 原 清介
サウンド・クリエーター
岡崎好雄
竹内昭五 松原 一 企画 制作 製造 制作協力 デザイン 技術解説 第一家庭電器株式会社 DAM 東芝EMI株式会社 日本フィルハーモニー
交響楽団
東芝EMI(株)デザイン室
鈴木彰子(カメラ)
取材協力
スタッフユニオン 池田 彰
原 清介
M.W. 曲目・演奏者
SIDE 1 SAID 2 1.交響詩 ローマの松 (レスピーギ 作曲)
I. ボルケーゼ荘の松 2'52"”
II. カタコンブ付近の松 5'52"
III. ジャニコロの松 5'51" IV. アッピア街道の松 5'40"
2. 管弦楽の為のラプソディー 7'04"
外山雄三 作曲
岩城宏之 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
習志野文化ホール
ライブ・レコーディング
1980.4.5 今回導入された新技術・企画 カッティング・データ・DAM初のオーケストラ録音は、岩城宏之~日本フィルの登場。
・パイプオルガン付きオーケストラを大ホールでライブ録音
・76cm/sec.16chアナログ録音とPCM(デジタル)録音も実施。
・内周になりがちな、「アッピア街道の松」をSID2冒頭に、リミッ
ター、フィルター、イコライザーを使わず、余裕を持って、
ストレートカッティング。
・クォーツロックDDモーターカッティングマシン
・マスタープレス
・厚手盤
・プロユース材を基に改良されたDAM45用新レコード材を使用
TapeRecorder : Studer A80MKII
DRIVE AMPLIFIER : NEUMANN SAL-74
CUTTING RACE : VMS-70
Quartz Rock Motar
CUTTING HEAD : NEUMANN SX-74
Diamond Catting Stylus
1980.5.7
東芝EMI(株)御殿場工場 制作にあたって
(発表時、解説書記載) 追加エピソード
(今回新規原稿)
DAM では過去、EMI 原盤を使用して、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルなど、世界の超一流オーケストラを取り上げてまいりました。
今回は、DAM初のオーケストラのオリジナル録音 (DAM オリジナル録音としては7作目)として、岩城宏之指揮の日本フィルハーモニ一交響楽団の登場です。昨年秋より、日本フイルを通じ、交渉を続けた結果、日本を代表する指揮者として世界を股にかけて活躍中の岩城宏之氏に指揮をお願いできることになったことが、このアルパム成功の大きな原動力となりました。
録音場所として、数少ないパイプ・オルガンを持つ習志野文化ホールを選んだわけですが、このパイプ・オルガンを生かすものとして、レスピーギの交響詩「ローマの松」 と、拍子木をはじめ、打楽器を豊富に使い、日本民謡の親しみ易いメロディーにあふれた、外山雄三の「ラプソディー」 の2 曲を選びました。
国内のレコード会社が大編成のオーケストラをレコーディングすることは、最近では珍しくなり、今回は76cm/sec. アナログ録音に加えて、デジタル録音のテストも実施することになり、大変大がかりな機材を使用いたしました。
録音にあたっては、DAM オリジナル録音の「音楽の流れを大切にする」というポリシィから、昨年春、成功した「 グラシェラ・スサーナ・オン・ステージ」同様、録音を充分考慮した上で、コンサート・ライブ形式とした次第です。
きて、去る4月5日、ほぽ満員のお客様の期待の中でコンサートは開始され、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」、同「ピアノ協奏曲第一番」( ピアノ渡辺康雄氏)と続き、休憩後、アルビノーニの「オルガンと弦楽のためのアダージョ」そして当日のメイン曲「ローマの松」で、会場の熱気は、頂点に達した感じでした。
そのあと、アンコールで「管弦楽の為のラプソディー」が演奏され 「春一番!!ジョイフル・コンサート」の素晴らしいしめくくりとなりました。演奏会場でのパイプ・オルガンを加えた、フル・オーケストラのの迫力は、岩城〜日本フィルの熱演とあいまって、素晴らしいものでしたが、今回 DAM45でどこまで再現できるかが、大いに興味のあるところでしょう。
前回の「禁じられた遊び 76/45」で名録音をしていただいた、ミキサーの池田氏に、今回も挑戦していただき、始んどリハーサルもない真剣勝負ともいうべき、厳しい録音条件にもかかわらず、この熱演を細大漏らさず収録することに成功しました。
デジタルとアナログ (76cm/sec・16チャンネル)を聞き比べた結果、「ローマの松」と「ラプソディーJ については、アナログの方がよりふさわしい音ということで、アナログの採用になり、そのトラック・ダウンも、コンサートの実演の雰囲気にできるだけ近づけるべく、時間をかけて入念に行われ、オーケストラのDAM45 としては初めて(市販でも珍しい)76cm/sec の2 トラック・マスター・テープが完成!
なお、16チャンネル録音 及2トラック・マスター・テープにもノイズ・リダクション類は使用しておりません。カッティングでも、このマスターの情報量を全て引きだすため、リミッタ一、フィルタ一、イコライザ一等の使用をせず、ストレートに45回転、ハイレベル・クォーツ・ロック・カッティングとし、更にマスター・プレス厚手盤で、万全を期しております。
従来、市販の「ローマの松」では、ほとんど全て、ききどころの「アッピア街道の松」がレコードの内周になってしまい、グイナミック・レンジがとれず、又、内周歪みにわざわいされていることを考え、このDAM45では、第2面の冒頭に、充分なゆとりをもってカッティングしてありますので、他の市販レコードでは味わうことが難しい、パイプ・オルガンを加えた、フル・オーケストラの総奏の圧倒的な迫力が見事に再現されることと思います。
その他、ワイド・レンジで、かつ透明で分離の良い録音は、オーディオ・チェックに充分な威カを発揮できることでしょう。とにかく、このアルバムは、トスカニーニ以来の「ローマの松」の名演・名録音のーつとして、DAM は自負している次第ですが、いかがなものでしょうか。会員の皆様の率直な感想をお寄せいただければ幸いです。
なおこのアルバムの制作にあたり 、岩城宏之氏、日本フィルハーモニ一交響楽団、東芝EMI(株)をはじめ関係各位に多大な御協カをいただきましたことを心からお礼申し上げます。
DAM推進委員会
*敬称は省略させていただきます。
*回転数の「33」は33 1/3回転の略です。