DOR0168 皇帝 / バックハウス DAM THE SUPER ANALOGUE DISC
レコード番号&アルバム名DOR0168 皇帝 / バックハウス DAM THE SUPER ANALOGUE DISC
ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
ウィルヘルム・バックハウス (ピアノ) ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ジャケット表
ジャケット裏
帯表
帯裏 発表年月 種類 回転数 音源 録音方式 頒布会 同時発表CD オーディオ
チェック 33 LONDON
原盤 アナログ
ー プロデューサー ディレクター スーパーヴァイザー ミキシング・エンジニア カッティング
エンジニア エンジニア Erik Smith
高和元彦
西田克彦
菊田俊雄 James Brown 牧野 晃
アシスタント・エンジニア
青木輝彦・西田尚雄 企画・制作 製造 ディスク製造 制作協力 デザイン・他 技術解説 第一家庭電器
DAMPC キングレコード
株式会社 日本ビクター
株式会社 高和元彦
曲目・演奏者
べートーヴェン
BEETHOVENピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調、作品73 「皇帝」
PIANO CONCERTO No.5 IN E FLAT MAJOR, Op.73 "EMPEROR"SIDE 1
1st Mov. : Allegro (19:38)SIDE 2
2nd Mov. :Adagio un poco mosso
3rd Mov. :Rondo (Allegro) (17:46)
ウィルヘルム・パックハウス(ピアノ)
WILHELM BACKHAUS (Piano)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
VIENNA PHILHARMONIC ORCHESTRA指揮:ハンス・シュミット・イッセルシュテット
conducted by HANS SCHMIDT-ISSERSTEDTRecorded June 27 1959 at Sofiensaal, Vienna
Producer : Erik Smith
Engineer : James BrownOrIginal recording by The Decca Record Co., Ltd.
Manufactured under ilcense of London Records K. K.
今回導入された 企画・新技術 カッティング・データ
・日本の誇る名プロデューサー高和元彦プロデュースの
キング「THE SUPER ANALOGUE DISK」
名門英デッカ・London原盤がDAMに登場!!
・歴史的名盤 バックハウス/ウィーン・フィルの皇帝 が遂にDAMに!
・ダイレクトコネクティング・カッティング
Non Limitter, Non Equalizer, Non Pass Filter
・ハーフスピード・カッティング
・カッティング用独自開発管球式アンプ使用
・厚手・重量180g
・高品質レコード材を使用
・スリーブ付き豪華ジャケット
Cutting Date: 10, 1989
King Records, Tokyo
Tape Recorder: Neumann M-15A
Head Ampeifier : AII Tube
Drive Amplifier: AII Tube-Parallel
Pushpull (Special Custom Made)
Cutting Lathe: Neumann
Cutting Head: Neumann SX-74
Non Limitter,Non Equalizer,
Non Pass Filter
制作にあたって
(発表時、解説書記載のまま)
巨匠パックハウスとその録音
高和元彦(プロデューサー)
(発表時、解説書記載のまま)
日頃は第一家庭電器をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
DAMスーパー・アナログ・ディスクのクラシック海外原盤シリーズでは、過去、全て英EMI 原盤を使用してまいりましたが、今回、英デツカ原盤の初登場となります。
英デッ力といえば、日本国内で、"優秀録音のロンドン・レーベル"としてモノーラル時代のffrr 、ステレオのffss は、優秀録音の代名詞としてマニアの間で評価されてきました。その名門ロンドン・レーベルの、DAM 登場第一弾として、レコード史上に残る歴史的名盤、ウィルへルム・バックハウス〜ハンス・シュミット・イッセルシュテッ卜指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番 "皇帝"を選びました。
これはまた、DAM 初の「ピアノ協奏曲」ということになります。過去、有名なコンチエル卜で、ソリス卜とオーケストラ両方の演奏が良く、その上録音まで優秀なものという条件にあうものが少く、やむなく交響曲や管弦楽曲になってしまうというのが実情でした。(ヴァイオリン協奏曲としては、オイストラッフ〜セル〜クリーヴランドO. のブラームスがただ1曲あります。)
パックハウスは、1884年ライプツィヒに生まれ、1965年7月5 日、85歳で亡くなるまで、現役のままコンサー卜活動を続けた今世紀を代表する大巨匠ピアニストです。録音は、30年前の1959年6月に行われましたが、当時はステレオ録音の開始後間もない時期ということもあり、S/N やダイナミックレンジ、f 特性、鮮度の点でも、オーデイオ的に見ると問題がないわけではありません。しかし、若い頃 "鍵盤の獅子王" といわれたバックハウス 75歳の円熟し、孤高の境地でのスケール感あふれる演奏が、当時ソリストとして、バックハウスに絶大な信頼を置いていたウィーン・フィルと、イッセルシュテッ卜の絶妙なサポートのもと、オーケス卜ラと渾然一体となって、録音の古さ等を感じさせない比類なき名演奏となっています。
この時代を超越した、歴史的名演を、キングレコードの高和元彦プロデューサーと、牧野晃マスタリング・エンジニアのご協力により、DAM ・キング・ザ・スーパー・アナ口グ・ディスクとして現代に蘇らせ、会員の皆様にだけお届け出来ましたことは、DAM クラシック・シリーズの、ささやかながら、存在意義ではないかと思っています。
スーパー・アナログ・ディスク化にあたっては、オリジナル発売当時の、"皇帝"一曲だけとし (その後、月光ソナタが追加カップリングされています。)、ジャケッ卜も、独デツカ及び国内発売当時のものを、表・裏に使用しています。
スーパー・アナログ・ディスク化により、ウィーン・フィル特有のしなやかで、厚味のあるオーケストラのスケールの大きさが、際立ち、ピアノもオーケス卜ラと融けあって大変ナチュラルな響きとして感じられるかと思います。
なお、本アルバム制作にあたり、キングレコード(株)、並びに関係者各位に多大なご協力をいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
DAM といたしましては、ご要望にお答えするべく、最善の努力をして、スーパ−・アナログ・ディスクを制作する所在ですので、会員の皆橡の変わらぬご支援をお願い申し上げます。
DAM推進委員会
第一家庭電器(株)さんの伝統あるDAM レコードのシリーズに、今年(1989年) 6 月の「ゲリー・カー」に引続き、11月には再び私共の "ザ・スーパー・アナログ・ディスク"が選ばれましたことは喜びにたえません。
さて、今回のDAM シリーズのためのスペシャル・ヴァージョンは、いよいよ英デッカ/ ロンドン・レコードの登場となります。それは、バックハウス不朽の名盤として知られるピアノ協奏曲第5番「皇帝」(レコード芸術推せん)ですが、1959年6月27日にウィーンのソフィエンザールというウィーン・フィルハーモニー常設の会場で録音されました。このときバックハウスは75歳でしたが、後述するように少しも衰えを感じさせない見事な演奏を展開しております。
指揮をしているシュミット・イッセルシュテットは当時59歳でしたが、このバックハウスとの協演に聴かれるように、彼の原作品に対する真摯で深みのある解釈は高い評価を受けました。彼はその後、ロンドンにべートヴェンの全交響曲の録音をしておりますが、「皇帝」の成功が次の大きな企画を実現させる一つの契機になったのではないかと思います。
このアルバムのレコーディング・スタッフは、プロデューサがエリック・スミス、エンジニアはジェームズ・ブラウンですが、興味深いことに、エリック・スミスはシュミット・イッセルシュテットの息子であります。
つまり、彼は父親が指揮する録音をプロデュースしているわけで、こうした例は他の演奏家にはまずないでしょう。(注 交響曲全集も、第7番を除いてE.スミスがプロデュース)
バックハウスに話を戻しますと、彼は1884年3月26日に生まれ、1969年7月5日に85歳の生涯を閉じております。亡くなる1週間前にオーストリアのクラッツェンフェルトで開かれたベートーヴェンの演奏会の途中、心臓マヒでたおれたのでした。85歳の高齢でありながら彼は最後まで現役のピアニス卜として活躍していたのですから、その壮健さには驚かされます。
バックハウスのレコーディング歴を手許の資料で調べているうちに、その壮健ぶりをさらに証明できる事実が判明しました。
彼は戦前のSPレコード時代にも多くの名演を残しておりますが、英デッカ/ ロンドンには1950年7月から録音を開始しております。
この年の7月だけで彼は、ベートーヴェンのソナタ第12番(Op.26) 、同第30番(Op.l09) 、ショパンの練習曲 (Op.1O-3 ) 、ソナタ第2番「葬送行進曲」 (Op.35) 、バラード第1番 (Op.23) 、マズルカ第17番、第20番、第24番と多数の曲を録音しておリます。
もう一つの驚きは、亡くなる3ヵ月前の4月にも次のような作品をステレオ録音していることです。すなわち、ベートーヴェンのソナタ第3番 (Op.2-3) 、第13番 (Op. 271)、第22番 (Op.54) 、第24番 (Op.78) 、第27番 (Op.90)の6曲をわずか1ヵ月間で完成させています。
しかも本当に最後のレコードは、ライブ録音ですが仆れた6月29日の前日とその2日前にオーストリアのオシアッハのシュティフト教会でのリサイタルの記録だったのです。
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」は、モノラル録音時代の1953年6月に、クレメンス・クラウスの指揮、ウィーン・フィルハーモニーとのアルバムがありますので、今回のものは、それから6年後のステレオによる再録音となります。この年(1959年) の10月には「熱情」ソナタも再録音しています。
いささかバックハウスの録音資料的な内容になってしまいましたが、これによっても彼がいかに超人的な演奏家であったか、そしてこのアルバムが年齢を超越した巨匠の名に恥じない珠玉のような名盤であるかを、今、"ザ・スーパー・アナログ・ディスク"の技術によってリフレッシュされた音で改めて聴き直していただけることを期待しております。
*敬称は省略させていただきます。
*回転数の「33」は33 1/3回転の略です。