レコード番号&アルバム名DOR0120 ワーグナー ワルキューレの騎行 76/45
ホルスト・シュタイン指揮 NHK交響楽団
ジャケット表
ジャケット裏 帯表 帯裏
発表年月 種類 回転数 音源 録音方式 頒布会 オーディオ
チェック 45 DAM・東芝EMI
共同制作
アナログ&
デジタル録音 アナログ
76cm/sec
(東芝EMI市販
およびDAMCDは
デジタル録音) プロデューサー ディレクター バランス・エンジニア サウンド
エンジニア カッティング
エンジニア メカニック
エンジニア 総合プロデューサー:野口泰明・田村勝弘
プロデューサー:鈴木武昭・中田基彦
ディレクター:中田基彦
池田 彰 原 清介
竹内昭五 金子秀作
録音協力
サウンド
クリエーター 企画 制作 製造 制作協力 デザイン・他 技術解説 第一家庭電器
DAM 東芝EMI株式会社 財団法人
NHK交響楽団
長谷恭男
(NHK交響楽団) 堀田正實・(カメラ)
東芝EMI(株)デザイン室
取材協力 スタッフユニオン
通訳 川島道二 池田 彰
原 清介 曲目・演奏者
WAGNER
DER RITT DER WALKÜREN
Horst Stein NHK / Symphony Orchestra
SIDE 1 SIDE 2 1. ジークフリートの葬送行進曲 楽劇「神々の黄昏」より
Wagner : TRAUERMUSIK aus GÖTTERDÄMMERUNG 7'44"
2. ワルキューレの騎行
Wagner : DER RITT DER WALKÜREN 5'18"
1.「さまよえるオランダ人」序曲
Wagner : DER FLIEGENDE HOLLÄNDER OUVERTÜRE 11'11"
2.「ローエングリーン」第三幕への前奏曲
Wagner : LOHENGRIN VORSPIEL 3 Act 3'09"
■ ホルスト・シュタイン指揮
NHK交響楽団
簡易保険ホール(東京 五反田)
1983.2.26-27 ホールでのセッション録音
今回導入された新技術・企画 カッティング・データ ・ワーグナー没後100年、巨匠ホルスト・シュタイン~N響による録音
・オーケストラのアナログ76cm/sec
&デジタルワン・ポイントセッション録音
・録音マザーテープによる、アナログ76cm/sec カッティング
・クォーツロックDDモーターカッティングマシン
・レコードの偏芯を減らすためセンターホール径を小さい方に設定
・厚手・重量・フラットディスク
・プロユース材をもとに改良されたDAM45用・新レコード材を使用
・解説書表紙カラー、ワーグナー没後100年記念特別デザインレーベル。 TapeRecorder : Studer A80MKII
DRIVE AMPLIFIER : NEUMANN SAL-74
CUTTING RACE : VMS-80I
Quartz Rock Motar
CUTTING HEAD : NEUMANN SX-74
Diamond Catting Stylus
Non Limitter , Non Equalizer
1983.4.26
東芝EMI(株)赤坂 制作にあたって
(発表時、解説書記載のまま)
ワーグナーの没後100年にあたる本年、世界的にその記念行事が計画されているようですが、我国でも、この5月、ベルリン国立歌劇場が総勢350名で来日し、ワーグナーのオペラ「タンホイザー」や「さまよえるオランダ人」 を上演し、話題を呼びました。
そして、この記念すべき年に、ワーグナーの権威、ホルスト・シュタイン氏と、日本の誇るNHK交響楽団による、ワーグナ一作品集を、DAM オリジナル録音として、会員の皆様にお届けできることは、当社といたしましでも望外の喜びでございます。DAM45は既に32枚を数え、そのうちオリジナル録音は、本アルバムで13作目ですが、フル・オーケストラの録音は55年6 月の岩城宏之〜日本フィルハーモニー管弦楽団のライヴ「ローマの松」以来2 度目ということになります。
昨秋、このレコーディング計画が持ち上り、色々と検討した結果、NHK交響楽団、東芝EMI の一般販売用 (CD 、レコード、カセット・テープ ) そして当社DAM の、共同制作ということで、レコード制作のためだけの、本格的レコーディングとして実現の運びとなった次第です。
ワーグナーの音楽といえば、52年6 月に、カラヤン〜ベルリンP O. (EMI原盤)で「タンホイザー」序曲を一度取り上げていますが、今回は、大作「ニーベルングの指環」から "ワルキューレの騎行" "ジークフリートの葬送行進曲" そして
「さまよえるオランダ人」序曲、「ローエングリン」第3 幕への前奏曲の4曲を選びましたが、いずれも有名な曲ばかりですので、クラシック・ファンでない方も、どこかでお聴きになったことがあるかと思います。ところで、指揮者のホルスト・シュタイン氏は、ワーグナー音楽のメッカ、「バイロイト音楽祭」(毎年、年末にNHK・FM でその年の録音が放送されていますので御存知の方も多いことでしょう) の常連として、本年も「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 を指揮することになっていることからもわかるように、ワーグナーの権威としてヨーロッパで名声を誇り、ウィーン国立歌劇場の首席客演指揮者やスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督などの要職にあります。
又、1973年にN響の客演指揮者として初来日以来、1975年には早くも名誉指揮者の称号を贈られるほど、N 響との信頼関係は確かなものといえましょう。
その音楽は、ドイツ音楽の伝統を基盤とする、オーソドックスで重厚、かつ滋味のある味わい深いもので、本アルバムのレコーディングの後の、N.定期演奏会のオール・ワーグナー・プロでも、聴衆の絶賛を浴びていましたが、我国ではレコードよりむしろN響との演奏会を通じ、多くのファンを持っています。
レコードも、ウィーン・フィルとのワーグナーやブルックナーが日本でも発売されていますが、N響とのレコードは、今回のレコーディングが最初となり、DAM45がその栄誉を担うことになったわけです。
NHK交響楽団は大正15年に新交響楽団としてスタートし、今では名実ともに日本を代表する名オーケストラとして、演奏会はもとよりTVでも活躍しているのは御存知の通りです。
録音は、本年2月26 、27 日と五反田の簡易保険ホールで行われましたが、録音に先立ち2日間のリハーサルをするほどカの入った、ホルスト・シュタイン氏とN響のこと、このレコーデイングはまるで演奏会のような熱気を醸しだしながら、順調に収録されました。とにかくシュタイン氏のワーグナーの音楽に関する造詣の深さ、キャリア、そしてN響のメンバーはもとより、スタッフに対する手際の良い指示と、かつその人柄からにじみでる暖かい心遣いが、このレコーディングを成功に導き、素晴しいワーグナー名演集を完成することができたといえます。
レコーディングは、より自然な音と音場再生を目指し、ワンポイント・マイク収録としましたが、録音方式については、デジタルとアナログ(76cm/s 2チャンネル)を同時に実施。
録音方式にとらわれず、結果を重視するDAM45のポリシィとして、録音後、一曲ずつデジタルとアナログのマスター・テープを試聴した結果、今回は全曲、アナログ・マスターを採用いたしました。
〔なお、東芝EMI より、デジタル録音のコンパク卜・ディスク(CC38-3030) 、同レコード(EAC-90147) 、同カセット(ZB28-420) が同時発売されますので、マニアの方は、あわせてお聴きいただければ、アナログ録音とデジタル録音の本質的な違いがおわかりいただけることと思います。〕
又、ワンポイント、76cm2チャンネル録音のため、トラックダウンをせず、簡単な編集作業で、マザー・テープがそのままカッティング用マスター・テープとなっています。カッティングに際しては、従来からのDAM45のポリシィとして、マスター・テープのクオリティと情報量を損わないために、ノン・リミッタ一、ノン・イコライザーで、45回転ハイレベル・カッティングをいたしました。
その後の製造工程も細心の注意と、最高の技術ノウハウを投入し、本アルバムを制作いたしております。オーディオ的には、ホールの音響特性からか、フレッシュでリアルな音で収録されていますが、特に「ジークフリートの葬送行進曲」 の広大なダイナミック・レンジ、100名という大編成オーケストラの多彩な響きの洪水がリアルに再現できるかどうかが、システムのチェック・ポイントとなるでしょう。
とにかく、シュタイン氏とN響の熱気にあふれた迫真的な名演をこのDAM45 を通じて会員の皆様にお伝えできれば幸いです。
なお、本アルバム制作にあたり、ホルスト・シュタイン氏をはじめ、NHK交瞥楽団、東芝EMI(株)、関係各位に多大な御協力をいただきましたことを、ここに厚くお礼申し上げます。
今後、DAM といたしましでも、最新情報・最高の技術を駆使して、会員の皆様に少しでもお役に立てるソフトの開発に、更に一層の努力をする所存ですので、今後とも皆様の御支援の程、よろしくお願い申し上げます。
DAM推進委員会
アナログ全盛時代のスーパー・アナログディスク、DAMオリジナル録音マスターテープが
ユニバーサル・ミュージックからDSD11.2MHz 配信開始されました!れました!
1970年代にかけて、国内最大手の家電量販店「第一家庭電器」が、DAM会員向け企画「マニアを追い越せ!大作戦」のために「スーパー・アナログディスクDAM 45/33」を、75タイトル(1975年〜1990年)完全限定制作・頒布いたしました。その中に、DAMオリジナル録音作品が36タイトルあります。大半が1/2インチ 76cm/secのアナログ録音です。
そのマスターテープを可能な限り忠実に再生するべく、DAMと東芝EMI技術陣(現ユニバーサル・ミュージック・ジャパン)が
総力を挙げて完成したのが、「DAMオリジナル録音・スーパー・アナログディスク76/45」なのです。ただ、そのオリジナル・アナログ・マスターテープは、たった1回だけプレスされただけで、その後27〜40年間あまり、門外不出とされ、一切市販されませんでした。(一部の共同録音を除く)
特に最新のDSD方式による録音&マスタリングでは、クラシック、ジャズなどアコースティック楽器の自然な音質再現、また空間再生などにその良さが顕著に現れます。
この度、その稀少価値のDAMオリジナル録音作品から、DAMPCおよび関係者が協力し、まず9タイトルに関して、オリジナル・アナログ・マスターテープを、素晴らしい精度で再現できるようになった、DSD11.2MHz・DSDIFF(拡張子.dff )により配信される事になりました。
*今後、「DSD11.2MHz DSDIFF(拡張子.dff )」を「DSD11.2 (.dff )」と、略して表記いたします。
*いずれも、オリジナルのアナログ・マスターテープから、ダイレクトにDSD11.2 (.dff )に変換しています。
*音質を最優先するため、マスターテープ1本分を、そのままDSD11.2 (.dff )ファイル1個としました。
スサーナ、マルウォルドロン、ワーグナーなど一部を除きDAM45 片面分が、DSD11.2 (.dff )ファイル1個に対応します。
*DSD11.2DFFファイルは編集ができないため、片面分、通しての再生になりますが、あしからずご了承ください。
*その分、アナログ・オリジナルマスターに可能な限り忠実にDSD11.2ダイレクト・マスタリングされています。
*2017年10月17日、JVCKENWOOD Creative MediaCorporation 代官山スタジオでのDSDマスタリング初日には、東芝EMIでのDAM45カッティングの時と同じDAMPCメンバー、岩瀬勝一、渡邉昌彦が立ち会いマスタリング方針を協議しました。
いずれのタイトルも、アーティストが全盛期に収録したマスターテープを、最新技術のDSD11.2 (.dff )マスタリングしたことにより、オリジナル・アナログ・マスターテープの持つ、驚くほどの情報量ともに、録音空間と音楽が自然かつリアルに再現されることなど、お楽しみいただけることと思います。
DSD11.2MHz マスタリング・データ
・マスタリング・エンジニア 杉本一家(JVCKENWOOD Creative MediaCorporation)
Editing System:Merging Pyramix Ver.10(DSD option)
Monitor Amplifier:JVC Sugimoto Custom
Monitor Speaker:GENELEC 1033A、FOCAL CMS65、JVC WoodCone
Player:STUDER A80(JVC Custom)1/2 & 1/4 インチ 76cm/sec
2017.10.17〜20日 JVCKENWOOD Creative MediaCorporation 代官山スタジオ
◎スタジオの様子など、詳しくはここをクリックしてください。
・笠原祐敏(ユニバーサルミュージック 開発本部 開発営業部・営業推進部マネージャー)・協力
河田爲雄
DAMPC 岩瀬勝一
DAMPC 渡邉昌彦(サンデュエット)
「ワーグナー ワルキューレの騎行76/45 DOR-0120」を 34年ぶりにDSD11.2 ( .dff )で配信するにあたり
ワーグナーをはじめドイツ音楽を得意とするドイツの名指揮者、ホルスト・シュタイン氏が2008年7月、80才で逝去。
バイロイト音楽祭には、1962年にワーグナー「パルジファル」でデビュー。1970年には、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」全曲演奏。その後1975年まで6年間連続 「ニーベルングの指輪」を振られました。
更に1976年から1986年まで、85年を除き、毎年「パルジファル」か「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のどちらかを振られたという、ワーグナーの権威ともいえる巨匠です。
NHK交響楽団には1973年初来日。その2年後の来日では、名誉指揮者の称号を得る。都合16回の来日。
そして、ワーグナー没後100年記念として、1983年、ホルスト・シュタイン氏とのレコードをレコーディングしたいと、東芝EMIに話がありました。ホルスト・シュタイン氏とNHK交響楽団の初レコードの栄誉を、東芝EMI市販とDAMで担ったのが、この共同録音です。
DAMとしては、1980年に岩城宏之氏と日本フィルハーモニー交響楽団でライブ録音をしていますが、フル・オーケストラの本格的なセッション録音は、このワーグナーが最初でした。レコーディング時、このようなNHK交響楽団を見たことがないほど、良い意味で張り詰めた空気がみなぎっていたのを、今でも鮮明に覚えています。巨匠というのは、まさに指揮台に立つだけで、団員全員の心をつかんでしまうものなのだと、痛切に感じました。
録音当日のホルスト・シュタイン氏、コンサートマスター徳永二男氏とのインタビューや、演奏風景など詳しい内容は
是非、下記DAM45解説書PDF(全8ページ)をご覧ください。
http://www.superanalogue-dam45.net/index-dam/jacket/dor0120/dor0120.pdf
*この度のDSD化では、DOR0120の全曲に加え、DOR0126 forVIPから、ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲が収録されています。なお、DAM45の曲順とは異なりますので、ご了承ください。
*当時のホールなど難しい条件のもと、DAMでは再生時に修正できない要素を損なうことがないことを、最重視して録音していただきました。
このポリシーのもと、そのマスターテープをデジタル・イコライズせず、ストレートにDSD11.2(.dff )に変換しています。
再生時には、お好みにより、お使いの再生システム傾向に合わせ調整してお聴きください。
DAMPC M.W
*敬称は省略させていただきます。
*回転数の「33」は33 1/3回転の略です。