レコード番号&アルバム名DOR0127-8 宮沢明子ピアノ名曲集 乙女の祈り・エリーゼのために・愛の夢
ジャケット表
ジャケット裏
帯 ー
発表年月 種類 回転数 音源 録音方式 録音日 頒布会 オーディオ
チェック 45
2枚組 DAMオリジナル
録音 2倍幅76cm/sec.
アナログ録音 1984.3.14 プロデューサー プロデューサー
ディレクター バランス
エンジニア 録音協力 カッティング ピアノチューナー 鈴木武昭 伊藤玲子 池田 彰 サウンド・クリエーター 竹内昭五 鶴田昭弘 企画 制作 製造 協力 デザイン 技術解説 第一家庭電器 DAM 東芝EMI
株式会社 松尾楽器商会
神原音楽事務所 GUY CROEGAERT
東芝EMI(株)デザイン室 江川三郎
原 清介 曲目・演奏者
乙女の祈りピアノ
宮沢明子
SIDE1 SIDE2 SIDE3 SIDE4 1. 乙女の祈り
(バダジェフス力)
LA PRIERE D'UNE VIERGE
6'05"
1. 夜想曲 作品9の2 「愛情物語」
( ショパン)
NOCTURNE OP 9-2
4'43"2. 入江のざわめき
(アルベニス)
RUMORES DE LA CALETA 3'42"3. マラゲーニヤ
(アルベニス)
MALAGUENA 3'03"4. 楽輿の時 第3番
(シユベルト)
MOMENT MUSICALOP94-3
1'53" 1. エリーゼのために
(ベートヴェン)
FÜR ELISE
2'34"2. トルコ行進曲 (モーツァルト)
RONDO ALLA TURCA
3'33"3. ワルツ嬰ハ短調
(ショパン)
WALTZ OP 64-2
3'09"4. トロイメライ
(シューマン)
TRÄUMEREI
2'52"
1 .愛の夢
(リスト)
LIEBESTRAUM
4'33"2. 小犬のワルツ
(ショパン)
WALTZ OP 64-1
(Valse du petit Chien)
1'33"3. 月の光
(ドビュッシー)
CLAIR DE LUNE
4'43'
使用ピアノ:スタインウェイ フルコーンサート
1984.3.14
茅ヶ崎市市民文化会館大ホール
今回導入された新技術・企画 カッティング・データ・マニアを追い越せ!大作戦 10周年記念
・宮沢明子による、DAM初 クラシック名曲ピアノ録音
・宮沢さんがこけら落としの演奏をされたホールを使用
・「乙女の祈り」は1面 6'05"のジャンボ・シングル仕様。
・アナログ2倍幅76cm/sec. とデジタル同時録音
・2枚組で全曲スーパー・アナログ・ディスク化
・厚手・重量・フラットディスク
・レコードの偏芯を減らすためセンターホールの径を
小さい方に設定
・プロユース材をもとに改良された
DAM45用・新レコード材を使用
・ジャケット表 C.モネ画 "ひなげし"(1873年)。
Tape Recorder : AMPEX ATR-102 1/2インチ
Drive Amplifier : NEUMANN SAL74
CUTTING RACE : VMS-80
Quartz Rock Moter
Diamond Stylus
CUTTING HEAD : NEUMANN SX-74
NON LIMTTER , NON EQUALIZER
1984.4.26
東芝EMI(株)赤坂 制作にあたって
(発表時、解説書記載のまま)
「マニアを追い越せ!大作戦」もこの度、10周年を迎えさせていただくことができました。
これも一顧にDAM会員の皆様の暖かい御支緩の賜物と、心からお礼申し上げます。カートリッジの性能や音質のチェック用にと、企画を始めたDAM45 ・オーディオ・チェツク・レコード・シリーズも今回で35及び36種類目ですが、常に「良い音楽を、良い演奏で、そして良い音でお贈りする」というポリシィで制作しております。
その内、今回で15種類を数えるDAM オリジナル録音中、クラシック音楽の分野では、ギター、合唱、吹奏楽、室内オーケストラ(チェンバロ、尺八を含む)、そして大編成のオーケストラを2回収録しましたが、今回はピアノを取り上げてみました。誰でも知っているピアノの小品を一流の演奏家にお願いするということは、大変難かしく、今までなかなか実現できませんでしたが、今回、「マニアを追い!大作戦」の1O周年を記念して、世界の音楽界で活躍中の宮沢明子さんの素晴しい演奏によって、皆様にお届けできることになりました。
宮沢明子さんといえば、かつて「ピアノとの対話」やオーディオ・ラボ・レーベルの一連のシリーズで、音楽ファンはもとより、オーディオ・マニアの方々にも良く知られている日本を代表するピアニストです。
今回、東芝EMI(株)と専属契約を結ばれ、市販レコード(「宮沢明子/ショパン・リサイタル」TA-72118)のレコーディングをする機会に、なんとかDAM45 のレコーディングもお願いしたいということで、宮沢さんと東芝EMI(株)の御好意により、DAMのためにスケジュールをさいていただいて実現したものです。クラシックの最新録音というと、このところ殆んどがデジタル録音ぱかりになってしまいましたが、DAMの経験では、現時点において、まだまだアナログ録音の方が総合的な音質について優れている点が多いといわざるを得ません。そこでピアノ名曲集の決定盤を作るにあたり、更にアナログ録音の限界に挑戦するため、通常の2倍幅の1/2インチ・76cm/sec. 2 チャンネル・テープレコーダーを使用しております。(なお、念のためデジタルでも収録いたしまた)
良いホールで録音したいというDAMの希望により、演奏者、ミキサーともに満足できるホールとして、こけらおとしで、宮沢さんが初演奏をした茅ヶ崎市民文化会館が選ばれました。3月14日の録音当日は、折から雪となってしまいましたが、録音本番では、ノイズを避けるため暖房も止めざるを得ませんでした。そんな厳しい条件の中で情熱的な演奏がくり広げられ、宮沢さんのこれら小品を数多く弾き込んでこられた実力と、プロに徹したレコーディングぶりにスタッフ一同、頭の下がる思いでした。
とかくピアノ小品集というと、曲目が全てで、演奏・録音は二の次という例を見受けますが、本アルバムは、知らない曲は無いというくらいに親しみ易い名曲ばかりを網羅しているばかりでなく、コンサート・ピアニストとして豊富なキャリアと実力、そして子供達のピアノ教育にも大変熱心な宮沢明子さんのピアノに対する愛情があふれた、感動的な名演といえるでしょう。
更に加えて、過去DAM45 のクラシック・オリジナル録音を全て手がけていただいている、ミキサー・池田氏の技術と見織によりその名演があますところなく収録されています。この素晴しい名演、名録音を、ー曲残きず、かつマスター・テープの音をそのまま会員の皆様にお聴きいただきたい、という気持から、10周年記念特別2枚組として制作した次第です。
カッティングにあたって、録音当日のオリジナル・マスター・テープを、一部の曲で若干の編集作業をしただけで、音そのものについては、一切いじっておりません。
又、録音時に使用した、テープレコーダーをそのままカッティング時の送り出しにも使用するという、理想的な形で、ハイレベル・ノン・イコライザー、ノン・リミッターで、ストレート・カッティングしております。特に「乙女の祈り」はダイナミックレンジが広いので、一面に6' 05"のジャンボ・シングル仕様とし、又、内周歪を避けるため、なるべく内側に入らないようカッティングいたしました。
その他、各面とも10分から13分強という、ピアノ小品集としては、例を見ない贅沢なカッティングと、その後の製造工程でも、DAM45ならではの東芝EMI(株)の数々のノウハウを駆使してアルバムを完成いたしました。オーディオ・チェック・ポイントとしては、スタインウェイの豊かな響と輝き、そして広大なダイナミックレンジが安定かつリアルに再現できるかどうか。又、宮沢さんの、曲による微妙なタッチの差異、時間経過によるピアノの音色変化、ピアノ特有の演奏ノイズ等が聴きわけられるかどうかもチェック・ポイントのーつといえるでしょう。
このピアノ名曲集を心ゆくまでお楽しみください。そして皆様のライブラリーの中に加えていただければ幸いです。
なお、10周年記念アルバム制作にあたり、宮沢明子さんをはじめ、関係の方々、そして東芝EMI(株)には、いつもに増して多大な御協力をいただきましたことを、厚くお礼申し上げます。
今後DAM といたしましても、アナログ、デジタルを問わず、より良い音楽ソフトを開発し 、会員の皆様に少しでもお役にたてるよう、更に一層の努力をする所存ですので、今後とも皆様の御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。DAM推進委員会
アナログ全盛時代のスーパー・アナログディスク、DAMオリジナル録音マスターテープが
ユニバーサル・ミュージックからDSD11.2MHz 配信開始されました!れました!
1970年代にかけて、国内最大手の家電量販店「第一家庭電器」が、DAM会員向け企画「マニアを追い越せ!大作戦」のために「スーパー・アナログディスクDAM 45/33」を、75タイトル(1975年〜1990年)完全限定制作・頒布いたしました。その中に、DAMオリジナル録音作品が36タイトルあります。大半が1/2インチ 76cm/secのアナログ録音です。
そのマスターテープを可能な限り忠実に再生するべく、DAMと東芝EMI技術陣(現ユニバーサル・ミュージック・ジャパン)が
総力を挙げて完成したのが、「DAMオリジナル録音・スーパー・アナログディスク76/45」なのです。ただ、そのオリジナル・アナログ・マスターテープは、たった1回だけプレスされただけで、その後27〜40年間あまり、門外不出とされ、一切市販されませんでした。(一部の共同録音を除く)
特に最新のDSD方式による録音&マスタリングでは、クラシック、ジャズなどアコースティック楽器の自然な音質再現、また空間再生などにその良さが顕著に現れます。
この度、その稀少価値のDAMオリジナル録音作品から、DAMPCおよび関係者が協力し、まず9タイトルに関して、オリジナル・アナログ・マスターテープを、素晴らしい精度で再現できるようになった、DSD11.2MHz・DSDIFF(拡張子.dff )により配信される事になりました。
*今後、「DSD11.2MHz DSDIFF(拡張子.dff )」を「DSD11.2 (.dff )」と、略して表記いたします。
*いずれも、オリジナルのアナログ・マスターテープから、ダイレクトにDSD11.2 (.dff )に変換しています。
*音質を最優先するため、マスターテープ1本分を、そのままDSD11.2 (.dff )ファイル1個としました。
スサーナ、マルウォルドロン、ワーグナーなど一部を除きDAM45 片面分が、DSD11.2 (.dff )ファイル1個に対応します。
*DSD11.2DFFファイルは編集ができないため、片面分、通しての再生になりますが、あしからずご了承ください。
*その分、アナログ・オリジナルマスターに可能な限り忠実にDSD11.2ダイレクト・マスタリングされています。
*2017年10月17日、JVCKENWOOD Creative MediaCorporation 代官山スタジオでのDSDマスタリング初日には、東芝EMIでのDAM45カッティングの時と同じDAMPCメンバー、岩瀬勝一、渡邉昌彦が立ち会いマスタリング方針を協議しました。
いずれのタイトルも、アーティストが全盛期に収録したマスターテープを、最新技術のDSD11.2 (.dff )マスタリングしたことにより、オリジナル・アナログ・マスターテープの持つ、驚くほどの情報量ともに、録音空間と音楽が自然かつリアルに再現されることなど、お楽しみいただけることと思います。
DSD11.2MHz マスタリング・データ
・マスタリング・エンジニア 杉本一家(JVCKENWOOD Creative MediaCorporation)
Editing System:Merging Pyramix Ver.10(DSD option)
Monitor Amplifier:JVC Sugimoto Custom
Monitor Speaker:GENELEC 1033A、FOCAL CMS65、JVC WoodCone
Player:STUDER A80(JVC Custom)1/2 & 1/4 インチ 76cm/sec
2017.10.17〜20日 JVCKENWOOD Creative MediaCorporation 代官山スタジオ
◎スタジオの様子など、詳しくはここをクリックしてください。
・笠原祐敏(ユニバーサルミュージック 開発本部 開発営業部・営業推進部マネージャー)・協力
河田爲雄
DAMPC 岩瀬勝一
DAMPC 渡邉昌彦(サンデュエット)
「宮沢明子76/45 DOR-0127・8」 を 33年ぶりにDSD11.2 (.dff )で配信するにあたり
DAMオリジナル録音は、アナログ録音の他に、1978年、「DOR0043サマータイムPCM vs DIRECT/45 山本剛トリオ+鈴木勲」でデジタル録音を開始しました。1980年の「岩城宏之 日本フィルハーモニー交響楽団 ローマの松76/45」以降は、可能な限り、アナログとデジタルの両方の録音を実施しています。
「宮沢明子76/45」の場合はアナログ録音、同時にデジタル録音の「宮沢明子・名曲集CD」を発表しています。
当時、ピアノという楽器は、ダイナミックレンジも広く、アタックも鋭いので、デジタルに向いているのではと考えられていました。一方アナログレコードは内周に行くに従い、線速度が遅くなるため歪みが増えてくるのが欠点でした。それでも、アナログ特有の、情報量の多さ、臨場感、リアル感、奥行き感など優位な点が多々あるので、DAMは最後のタイトルまで、アナログで必ず録音することが、最重要ポリシーだったのです。(2タイトルだけ例外有り)
しかし、最近はハイレゾ時代。そのハイレゾのなかでもアナログに最も近いといわれているのが DSD規格。
そのDAMオリジナル・アナログ録音マスターテープを、DSDでも現時点最高規格のDSD11.2DIFF(.dff )でマスタリングして配信するのが今回の9タイトルです。その中でも、「宮沢明子76/45」のDSD11.2版を、当時の「宮沢明子・名曲集CD」と聴き比べてみて、Dレンジ、音場、アタック、リアル感、等々、1982年CD初発売以来35年間のオーディオ・デジタル技術の進歩をまざまざと感じました。
宮沢明子さんは、1963年、ジュネーヴ国際音楽コンクール1位なしの2位、1964年、ヴィオッティ国際音楽コンクール・ピアノ部門金賞第1席受賞という、日本を代表するピアニストです。
小柄ですが、日本の女性ピアニストとは思えない、強靱なアタックから、繊細なタッチまで縦横に駆使される、個性派の名ピアニストです。現在ベルギー在住。
録音当日は、折からの雪模様。そんな中、録音のため、暖房も止め、小品集でも、ひたすら真摯にピアノ演奏される宮沢さんの姿、演奏の合間には、スタッフに女性らしい心遣いをされていた姿が、とても印象的でした。
今回のDSDマスタリングで、宮沢さんのピアニズムのリアルな姿がお伝えできるのではと思っています。
演奏風景やインタビューなど詳しい内容は、下記DAM45解説書PDFをご覧ください。
http://www.superanalogue-dam45.net/index-dam/jacket/dor0127-8/dor0127-8.pdf
DAMPC M.W
*敬称は省略させていただきます。
*回転数の「33」は33 1/3回転の略です。